コロナ禍も終わり、少し遠くに旅行に行きたいな。
そう思っている人は多いと思います。
しかし、発達障害児がいる家庭は近場への旅行も難しいのが現実です。
長い移動時間、混雑する観光名所、宿泊施設で大暴れ…
知らない場所は発達障害児にとってはパニックを起こす要因になる場合があります。
今回は「発達障害児と一緒に旅行に行こう」をテーマに
この記事でわかること
- 旅行に対して何が不安なのか
- 不安を解消する方法
- 事前準備に関して
この3点を紹介します。
みなさんのお役に立つ記事になれば嬉しいです。
発達障害児にとっても旅行は感受性を高めるチャンスです。
旅行中は大暴れして嫌がっていた子供も後から「楽しかった」と言ってくれる事があります。
日常にはない刺激を受けることで、子供の「好き」を増やすきっかけとして旅行を取り入れるのはいかがでしょうか。
発達障害児を連れていく旅行で気になるポイント
発達障害児を持つ親にとって旅行に行く事に不安がある人は多いです。
- パニックを起こさないか
- 人に迷惑をかけないか
- どこに旅行にいけばいいかわからない
旅行は楽しいと思っているけど、発達障害児の子供を連れての旅行は気が重いと思うのでは無いでしょうか。
自分1人なら旅行に行きたいけど、子供を連れての旅行はハードルが高くていけない。
旅行へ行っても子供の癇癪やパニックがいつ起こるかわからないから楽しめない。
などなど
なぜ発達障害児と一緒の旅行は気が重いのか、悩みを書き出せば、解決方法の糸口につながるかもしれません。
パニックを起こさないか
旅行中に子供がパニックになって、大暴れする可能性は考えられます。
- いつもの環境と違う
- 人混み
- 知らない場所
発達障害児は非日常の環境にとても敏感です。
いつもと違う場所、出来事に極度の不安感があります。
人に迷惑をかけないか
旅先では、まわりの人々は自分の子供が発達障害かどうかはわかりません。
突然パニックが起こった場合、周辺の人達に迷惑をかけないか不安になりますよね。
発達障害に対して周囲への認知は広まっていません。パニックを起こした子供に対して心無い言葉を言われたり、好奇な目で見られる事があるのが現実です。
楽しみにしていた旅行が子供の癇癪やパニックで嫌な思い出にならないように事前準備をするのはどうでしょうか。
旅行を「感情のコントロール練習」として活用する
発達障害児は普段と違う事に不安を強く感じる傾向にあります。
いつもは不安を取り除く事をしていますが、旅行に関してはあえて不安になった時の
「心のコントロール練習」として、旅行を活用してはどうでしょうか。
旅行へ行くための事前準備方法を紹介
発達障害児と一緒の旅行は事前に準備が大切です。
旅先が決まったら、どの様な方法で移動して、何を楽しむのか詳細を伝えましょう。
普段、子供の苦手な物や事を思い出して、旅行をしている時に嫌な事や物があっても回避できるように事前に学習しましょう。
子供の特性を理解していれば、ある程度のトラブルも回避できます。
発達障害児に多いトラブルを参考に、旅先でトラブルにならないようにする方法をご紹介します。
YouTubeや本で旅の知識を得る
旅行先が決まったら、まずは子供に風景や観光施設に関する情報を教えましょう。
YouTubeや絵本など目で簡単にわかる媒体を使いましょう。
その時、ママも一緒にみて、「ここは楽しそうだね」「行ってみたいね」などポジティブな言葉がけをすると子供も楽しく見ることができます。
子供は「知らない」事によってパニックを起こす場合があります。
事前に見たことある状態にしておけば「あ!YouTubeで見た場所だ」や「絵本と同じ場所」と安心できるでしょう。
親もトイレの場所やコンビニなど事前に把握でき、いざという時の対応がスムーズになります。
旅で予想される場面をロールプレイする
発達障害児は予想外の行動を取ることがあります。
親としても突然の行動に体がついていけない場面があります。
旅行先でトラブルを回避できる様にロールプレイをしましょう。
・近くに子供が好きそうなお店があるので、勝手に走り出しそう
・人混みが多そうなので、別ルートで見学しよう
・坂道が多く、子供が疲れそうなので、どこかでトイレ休憩をする
旅行は親も緊張するので事前に想定の出来事として身構えれば子供のトラブルにも対応しやすいです。
寝湯時に違うベッドや布団でも気兼ねなく寝れるように練習する
発達障害児の特に自閉症スペクトラムはこだわりが強く、宿泊先の部屋や布団を嫌がる場合があります。
この時は宿泊先に事前に子供の発達障害児であることや、何をしてほしいか要望を伝えましょう。
宿泊先スタッフもお客様の情報が欲しいです。
実は筆者は旅行業界に10年以上勤務しており、お客様の事前情報が大切だと実感しております。
宿泊先のスタッフも事前の情報があれば、当日の対応がスムーズになり、適切な対応が取りやすくなります。
今はバリアフリー対応が充実しているので、気兼ねなくスタッフに相談しましょう。
交通機関が提示しているバリアフリー対応を確認する
旅行には移動が必要です。
交通機関にもバリアフリー対応があります。
日本の大手航空会社は発達障害児が楽しく飛行が乗れるようにパンフレットをホームページに掲載しています。
全日空(ANA)は「そらパスブック」にて飛行機の乗り方をすごろく形式でわかりやすく掲載しています。
日本航空(JAL)は「スカイチャレンジ」にて写真をたくさん載せてわかりやすく飛行機の乗り方を掲載しています。
また、JALはYouTubeでも飛行機の乗り方を子供向けに動画にしていて、参考になります。
鉄道はJRが「多目的室」を新幹線の全列車に設置しています。
多目的室は体が不自由な人や授乳する際に利用可能で、室内にはベッドがある個室です。
発達障害児も利用でき、パニックになった際は利用可能です。
利用する際は事前の予約が必要なので、新幹線を利用する鉄道会社へ連絡をしましょう。
旅先でトラブル発生!対処方法
事前に準備をしていても当日大騒ぎをする時はあります。
この章では旅先でトラブルになった際の対処方法を紹介します。
突然のトラブルも事前に情報を知っていれば安心して対処できるでしょう。
人混みでパニック
観光名所の中には人混みが発生する場合があります。
特にゴールデンウィークや年末年始などの連休は観光名所は混雑します。
発達障害児は人混みが苦手です。
人混みでビックリして体が固まったり、大暴れしてしまう場合があります。
対策としては観光する時間を変更してみましょう。
人混みが無くなる時間帯としては早朝や昼食時の12時ごろを目安に行動をすると比較的空いています。
子供の「疲れた」には休憩や中止を
発達障害児は環境に敏感で常に緊張状態です。
旅行先で子供が「疲れた」という事は相当疲れているサインです。
無理をさせずに休憩をするなり勇気を持って中止をする決断をしましょう。
ご飯が食べられない
発達障害児は偏食も考えないといけません。
宿泊先や旅行先周辺のレストランや食事メニューはインターネットで調べる事が可能です。
また、食物アレルギー対応も宿泊先のレストランで対応しているので、事前に食物アレルギーがあることを伝えておきましょう。
どうしても食べられない場合は事前にお菓子や食べられる食事を持参するのもオススメです。
部屋で落ち着かない
知らない環境に長時間滞在することが困難な子供は自宅からお気に入りのおもちゃやお菓子を持って行くのもいいかもしれません。
少しでも子供が落ち着ける環境を整えて、翌日に備える事が大事です。
我が家はテレビゲームが好きで、旅先の旅館やホテルにNintendo Switchを持参します。
好きな事に没頭し、気分転換をしています。
まとめ
発達障害児にとって近場の旅行でも大きな冒険レベルのイベントです。
昔は旅行が趣味だったママも子供の関係で旅行を諦める人が多いと思います。
ですが、旅行で得られる経験が子供を大きく成長させることもあります。
旅行中は「疲れた」や「つまらない」などを言ってた息子も、後から「楽しかった」と真逆の思い出になっている時もあります。
ぜひ子育て中のママには発達障害児がいても旅行を楽しんで欲しいです。