子供が時々意味のない言葉を喋る
瞬きが多い気がする
子供の行動や発言に「おや?」と思うことは無いでしょうか。
発達障害児を育てていると定型児にはない不思議な行動をとることがあります。
その中でも「チック症」という脳機能の病気があります。
チック症は発達障害児に併発されやすいとされ、治療方法は明確に解明されていません。
今回はチック症について解説をしていきます。
この記事を読むことでチック症の原因や対策方法が理解できます。
また、チック症を発症した子供に対してのフォローが理解できるようになります。
この記事でわかること
- チック症が理解できる
- チック症を発症した場合の対処方法がわかる
この記事はで読むことができます。
チック症とは神経発達の不具合からなる脳機能の病気です。
本人の意志とは関係なく突然動いてしまったり、声を出したりしてしまう症状です。
突然「あ!」や「う!」などが発生する人を見かけたりするのではないでしょうか。
また目のまばたきが多い人や首を回したり振ったりする動作を突然するなどの動作もチック症の症状の一つです。
チック症には大きく分けて「音声チック」と「運動チック」の2種類に分かれます。
以下で詳しく解説していきます。
音声チック
音声チックは「あ」や「う」など言葉が勝手に出てしまう症状です。
また風邪を引いていないのに咳をするのもチックの症状には多くあります。
音声チックに似ている症状に「吃音」がありますが、吃音は遺伝子が原因で起こる発音障害の一つなので、音声チックとは異なります。
音声チックの症状
- 突然声を出す
- 咳払いをする
- 意味のない言葉を連発する
- 場違いな言葉(汚言)を発する
吃音の症状
- 同じ単語を繰り返したり、言葉が出にくくなる
- 単語を引き伸ばす(僕ね→ぼーーくね)
- 言葉が出てこない
吃音の症状を持つ子供が音声チックを併発する場合があります。
チック症は一過性の症状なので、自然に消えるので経過観察をし、長く続くようであれば病院に相談をしてみましょう。
運動チック
運動チックとは突然体が動いてしまう症状です。
まばたきが多くなったり、首を振ったりする行動が増えるのが主な症状になります。
また運動チックには急に座席から飛び上がったり、顔や顎を叩くなど危険な行為もあるので注意が必要です。
チックの種類
チック症には程度を表す以下の3種類に分類されます。
- 暫定的チック:運動チックまたは音声チックが1年以内で症状が緩和される
- 持続性チック(慢性チック症):運動チックまたは音声チックの症状が1年以上続く
- トゥレット症候群:運動チックと音声チックの両方が1年以上続く場合ここに項目が入ります
一般的には暫定的チックの症状から始まり、持続性チックやトゥレット症候群へと症状が進みます
チック症が起きる原因とは
チック症の原因は完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関与していると考えられています。
遺伝的要因
家族にチック症や関連する神経疾患を持つ人がいる場合、子供がチック症を発症するリスクが高いとされています。
しかし、軽度のチック症は小学校の生徒には多くみられる特性とされる調査結果もあり、親子で顔が似ていることと同じ程度とされています。
環境要因
ストレス、疲労、身体的な病気、環境の変化などは、チックの発現や悪化に関わる要因として知られています。
新学期や学期初めなど環境の変化によってストレスが溜まることでチック症を発症するケースがあり、生活に慣れるとチックが治る場合もあります。
神経科学的要因
脳内の神経伝達物質、特にドーパミンやセロトニンの不均衡が、チック症の発症に関与していると考えられています。神経伝達物質のバランスが崩れることで、チック症状が引き起こされる可能性があります。
発達障害との併発
チック症は自閉症やADHDなどの発達障害の子供に合併しやすい症状とされています。
理由は明確ではありませんが、脳機能の発達の偏りがチック症と発達障害には似ているとされているからです。
また、大人の場合はうつ病や双極性障害の人がチック症を併発しやすいという研究結果もあります。
チック症を併発した場合はまず「気にしない」生活を送ることが大切です。
一般的にはゲームやテレビなどの見直しや生活リズムの見直しによりチック症は自然に消失することが多いです。
チック症が現れる年齢
チック症は主に子供に発症する症状です。
4歳〜11歳ごろが一番多く、特に7歳前後で発症する可能性が高いとされています。
チック症は一時的に発症して数ヶ月して消えていくケースが多く、思春期を迎える頃までには消える場合が多いです。
ですが、中にはそれを繰り返し続け大人になっても治らない場合もあります。
チック症は治るのか
一般的にチック症は思春期ごろには自然に消失します。
チック症の多くは幼少期をピークを迎え徐々に減る傾向にあります。
音声チックや運動チックは日々のストレスが原因とされています。
緊張やストレスが高くなるとチックの症状も高くなります。
また、周りの環境を整えることでチック症を緩和させることも大事です。
そのためにはチック症への理解と対策が必要になります。
親や友達、学校関係者がチック症への理解を深め、ストレスの無い空間を子供に提供することでチック症を緩和させることができるでしょう。
チック症の相談はどこですればいいのか?
初めて子供がチック症になると親は不安になりますよね。
今はインターネットが普及し、たくさんの情報があり何を信じればいいのか、また子供にどんなケアをすれば効果的なのかわからなくなります。
もし子供がチック症では無いかと感じたら医療機関や専門機関に相談しましょう。
子供のチック症の相談場所
発達検査を受けている医療機関または支援センターで相談をすることは可能です。
子供の発達度合いを理解しているので適切な治療法や対策、または専門機関への紹介も可能です。
また小児精神科や児童精神科でもチック症の治療が受けられます。
大人のチック症の相談場所
大人のチック症はうつ病や双極性障害を併発している可能性があります。
そのため相談場所は主に心療内科や精神科への相談になります。
チック症が長く続く場合トゥレット症へ変わることがあるので不安になったらすぐに相談することをオススメします。
チック症とトゥレット症の違い
チック症と似た症状にトゥレット症があります。
チック症とトゥレット症の違いとは何か解説していきます。
トゥレット症とは
トゥレット症はチック症が1年以上続き日常生活に支障が出る場合の症状です。
チック症と同じで幼少期から症状がみられ、10〜12歳で症状がピークになります。
男性の方が女性より2〜4倍多く発症するとされています。
運動チックと音声チックの両方が1年以上続く場合はトゥレット症を疑うケースがあります。
トゥレット症の治療方法はチック症と同様にストレスの少ない環境を作り、生活リズムを整えることです。
また、症状が悪化する場合はチック症と同じ専門機関で治療できます。
まとめ
チック症は、子供にとって大変辛い経験かもしれませんが、周囲の理解とサポートがあれば、少しずつ症状を和らげていくことが可能です。親や教師、医療従事者が協力し、子供が安心して成長できる環境を作ることが重要です。知識を深め、適切な対処法を実践することで、子供がより充実した生活を送れるよう支援していきましょう。
子供がチック症を持っている場合、理解し、受け入れ、適切な支援を行うことが、その後の成長にとって非常に重要です。チック症は、治療やサポートによって改善できる可能性が高いため、周囲の大人たちが積極的にサポートし続けることが求められます。