来年小学生になる発達障害児は毎年5月頃から就学相談が始まります。
就学相談ではどんな相談をするの?
小学校で子供が授業に遅れないか心配。
など様々な悩みがあります。
就学相談は発達に心配がある児童が安心して小学校へ就学できるお手伝いをする場所です。
また、特別支援学級や特別支援教室などの発達障害児が学業に専念できる環境への紹介をしてくれます。
逆に就学相談を受けなければ特別支援学級への入学からの就学はほぼ不可能です。
今回は特別支援学級について下記の点を詳しく紹介します。
- 教育課程
- 特別支援学級への就学方法
- 特別支援学級からの次の進路先
就学相談に関しては関連記事があるのであわせて読めば来年の4月の小学校生活がスムーズになります。
特別支援学級とは
特別支援学級とは発達障害の影響で通常の学級では学習が困難な児童に対する教育環境です。
就学相談などでは「支援級」と呼ばれることもあります。
特別支援学級という言葉を聞きなれない人は多いと思います。
2006年の学校教育法の改正の関係で、2007年の4月から特別支援教育へ制度改正がありました。
これにより「特殊学級」であった名称が「特別支援学級」へ変更になりました。
特別支援学級ではどんな授業をしているかを紹介します。
教育課程
特別支援学級(支援級)の教育課程は身辺自立を中心に児童の発達度合いに合わせてカリキュラムが組まれます。
発達障害は子供によって特性が異なるため個別対応が多くなります。
学習も同時進行で行うため学校によって教育方針は異なります。
主に次に紹介する教育課程になります。
自立活動を取り入れる
支援級の特徴の一つとして自立活動を取り入れた授業があります。
発達障害を抱える児童は身辺自立が遅れています。
これは怠けや努力不足ではありません。
昨今の研究では発達障害は脳機能の伝達に何らかの異常が発生している状態を言います
東京都のホームページには発達障害に関する下記の記事が参考になります。
発達障害は、脳の各部位の機能や神経伝達回路がうまく機能していない状態です。
しかし、「できない」訳ではなく、情報処理の仕方を練習したり、自分なりの方法で対処するコツをつかめば
改善していくことが多いことがわかっています。
引用:東京都保険医療局 第二章脳の働きと発達障害
発達障害を引き起こす原因は脳が上手に情報処理ができないことです。
障害の度合いは個人差があるので自分に合った方法を特別支援学級で見つかることもあります。
コミュニケーションを取り入れる
コミュニケーションや対人関係が苦手な発達障害児は多くいます。
特に自閉症スペクトラムはコミュニケーションが苦手でうまく友達を作れない症状があります。
特別支援学級ではクラスメイトや先生とのコミュニケーションが上手になれるようにロールプレイをして勉強します。
カリキュラムは各学校で編成している
特別支援学級は学校によって児童の特性別に編成されています。
例えば言語に不安のある児童であれば言語聴覚師が在籍している特別支援学級への通学になります。
自閉症や注意欠如多動症の児童に関しては専門の特別支援学級があるので、詳しくは市区町村のホームページを確認してください。
東京都練馬区ではこのように情報公開をしております。
参考にしてみてください。
特別支援学級に入るには
特別支援学級に入るには「入学前」と「入学後」で方法が異なります。
入学前は就学相談で特別支援学級へ入学したい旨を市区町村の教育委員のスタッフと面談をします。
詳しくは以前執筆した「就学相談で希望先が見つかる対策5選と筆者の体験談」の記事を参考にしてみてください。
入学後に特別支援学級へ転入する場合は色々な審査を受けて、市区町村の教育委員会の決定が必要です。
入学後に担任の教師に特別支援学級への転入を進められても通常は1年転入に時間がかかります。
次の章で特別支援学級へ入るための方法を「入学前」と「入学後」と分けて紹介します。
【入学前】特別支援学級へ入る方法
特別支援学級へ入学したい場合、「就学相談」を受けて入学したい旨を伝えましょう。
就学相談は市区町村の教育課が行なっている就学前に関する相談です。
就学相談とは就学に関する相談ですが、発達障害児がどこの学校へ入学するかの判定をする場所でもあります。
この相談では保護者の希望する進路先が適正かを判断します。
相談する時は特別支援学級へ入りたいと強く希望してから相談をしましょう。
【入学後】特別支援学級へ入る方法
通常級や特別支援教室に在学している児童が特別支援学級へ転入する場合はいくつかの審査が必要です。
審査内容に関しては子供の発達状況が特別支援学級に適しているかを審査します。
一般的な特別支援学級へ入る方法は下記の手順になります。
- 担任や学内の支援コーディネーターとの相談
- 教育委員会へ特別支援学級への転入希望を相談する
- 必要書類の準備
- 希望する特別支援学級のスタッフと面談
- 正式な転入手続き
- 支援学級でのサポート体制の確認
特別支援学級への転入は時間がかかります。
個人差はありますが、3ヶ月〜1年間は時間がかかると思ってください。
特別支援学級の卒業進路は
特別支援学級から卒業した場合、次の進路先をどうするか悩みますよね。
子供の発達は個人差があるのでその時の状況で判断します。
また、在学時に進路についての相談するタイミングがあるので、在学している支援コーディネーターさんと相談することをオススメします。
中学でも特別支援学級へ進学
中学校でも継続して特別支援学級へ進学することは可能です。
進学する際も「就学相談」を介しての進学になります。
特別支援学級を設置している中学校は市区町村のホームページに掲載されているので、参考にしてみてください。
ちなみに練馬区の中学校の特別支援学級はこちらになります。
特別支援学校へ進学
特別支援学級の小学校から特別支援学校の中学校への進学は可能です。
児童の発達に合った学校を提供することで子供は安心して学校へ登校することができます。
在学している学校のコーディネーターと相談をして進路を決めましょう。
高校には特別支援学級がない?
現在の学校教育には特別支援学級を開校している高校はありません。
なぜなら中学校までは義務教育だからです。
高校へ進学する際は通級への進学をするか特別支援学校(高等学校)へ進学するかなどです。
また、通信制のカリキュラムを利用する方法もあるので、児童の特性に合った進学先を検討してみてください。
まとめ
特別支援学級は児童の発達度合いによって様々な支援をしてくれます。
学校によってカリキュラムや特徴があるので、児童にあった学校を選びたいですよね。
毎年5月から就学相談中は特別公開日があるので見学に行くのをオススメします。
公開日以外にも学校へ相談して見学をするチャンスはあります。
子供と一緒に見学することで児童が学校に通うイメージが湧いてくるでしょう。